AISASとは?購買心理の決定プロセスとAIDMAとの違いを完全解説!
2026.08.12
法人営業やマーケティングの現場では、顧客がどのようなプロセスを経て購買を決断するのかを理解することが欠かせません。
とくにインターネットやSNSが情報収集の中心となった現在、従来の購買モデルだけでは顧客心理を読み切れない場面が増えています。
そこで注目したいのが「AISAS(アイサス)」という購買心理の決定プロセスモデルです。
本記事では、AISASの基本構造から従来モデルとの違い、そしてBtoB営業やマーケティングの現場でどう活かせるのかまで、実務目線で解説していきます。
購買心理と決定プロセスをAISASという枠組みで捉え直すことで、日々の営業活動やコンテンツ設計に新しい視点が加わるはずです。
INDEX
AISASとは?購買心理を読み解く決定プロセスの基本
AISASとは、消費者がある商品やサービスを認知してから購買に至り、さらにその体験を周囲と共有するまでの一連の心理プロセスを表したフレームワークです。
Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)という5つの段階の頭文字を組み合わせて名付けられました。
このモデルは、電通が2004年前後に提唱したとされており、インターネットが日常的なインフラとなった時代の消費者行動を反映しています。
なぜ「決定プロセス」として捉える必要があるのか
購買という行動は、ある日突然発生するものではありません。
消費者や企業の担当者は、情報に触れ、興味を持ち、比較検討を重ねたうえで、ようやく意思決定に至ります。
AISASは、この一連の流れを段階ごとに分解することで、どのタイミングでどんな施策が効果的かを見極めるための地図の役割を果たします。
営業やマーケティングの担当者にとっては、顧客が「今どの段階にいるのか」を推測する材料としても活用できるでしょう。
インターネット時代の購買心理を映すモデル
AISASの最大の特徴は、「Search(検索)」と「Share(共有)」という2つの段階が組み込まれている点です。
これは、消費者が能動的に情報を探し、購入後にはその体験を発信するという、現代特有の行動様式を反映したものといえます。
一方通行の情報伝達が主流だった時代とは異なり、現在の購買心理はより双方向的で、他者の声に強く影響される傾向があります。
この点を理解しておくと、AISASが単なる理論にとどまらず、実践的なマーケティング設計の指針になることが見えてくるでしょう。
AISASを構成する5つのステップ
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AISASの各段階は独立しているわけではなく、それぞれが連鎖しながら購買心理の決定プロセスを形成しています。
ここでは5つのステップを3つのまとまりに分けて、具体的な中身を確認していきます。
注意と関心(Attention・Interest)
最初のステップであるAttentionは、消費者が商品やサービスの存在にはじめて気づく段階です。
広告、SNS投稿、展示会でのブース来訪など、接点はさまざまですが、まずは認知されなければ何も始まりません。
続くInterestは、認知した情報に対して「もう少し詳しく知りたい」と感じてもらう段階です。
BtoBの文脈で言えば、資料請求やホワイトペーパーのダウンロードにつながるきっかけがここに該当します。
単に目立つだけでなく、相手にとって価値がありそうだと感じさせる情報設計が求められるでしょう。
検索(Search)
Interestの段階を経た消費者は、自ら情報を探し始めます。
検索エンジンでの比較検索はもちろん、口コミサイトやSNS、業界メディアなど、情報源は多岐にわたります。
BtoBの購買心理においても、担当者が複数社の資料やレビューを見比べたうえで稟議に進めるケースは珍しくありません。
この段階で自社の情報が見つからなければ、そもそも検討の土俵にすら乗れない可能性があります。
SEO対策やオウンドメディアの整備は、まさにこのSearchの段階を支えるための施策だといえるでしょう。
Actionは、実際に問い合わせや商談、契約といった具体的な行動に移る段階です。
これまでの段階で積み上げてきた興味や情報が、ここで初めて成果として表れます。
そしてShareは、購入や利用の体験を他者と共有する段階です。
BtoBであれば、導入事例として紹介されたり、担当者間の口コミとして広がったりすることがこれに当たります。
この共有が新たな誰かのAttentionを生み、購買心理の決定プロセスが循環していく点が、AISASの興味深いところといえるでしょう。
AIDMAからAISASへ―購買心理の変化と時代背景
AISASを深く理解するためには、その前身となった「AIDMA(アイドマ)」との比較が欠かせません。
両者を並べて見ることで、時代とともに購買心理の決定プロセスがどう変化してきたのかが見えてきます。
AIDMAが示していた購買心理
AIDMAは、1920年代にアメリカで提唱された古典的な購買行動モデルです。
Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)という流れで構成されています。
このモデルは、テレビや新聞広告といったマスメディアが情報伝達の中心だった時代の消費者心理をよく表しています。
広告を見て興味を持ち、欲しいという感情が芽生え、それを記憶したうえで後日購入するという流れは、情報源が限られていた時代には合理的な行動パターンでした。
インターネットが変えた消費者心理
しかし、インターネットとスマートフォンの普及によって、消費者が情報を「記憶」する必要性は大きく薄れました。
なぜなら、気になった瞬間にその場で検索し、詳細な情報を入手できるようになったからです。
さらに、購入後の感想をSNSやレビューサイトで発信することも当たり前になり、個人の体験が他者の購買心理に直接影響を与える構造が生まれました。
こうした変化を反映して誕生したのがAISASであり、Search(検索)とShare(共有)という要素が新たに加わった背景には、こうした情報環境の劇的な変化があります。
AISASとAIDMAの違いが示す実務への示唆
両モデルの違いを整理すると、AIDMAは「記憶して後から行動する」直線的なモデルであるのに対し、AISASは「検索して能動的に比較し、行動後にも情報を発信する」循環的なモデルだといえます。
この違いは、営業やマーケティングの施策設計にも直結します。
たとえば、ランディングページのように上から下へ一気に読ませて離脱を防ぎたい場面ではAIDMA的な直線構成が適していますが、Webサイト全体やコンテンツマーケティングの設計にはAISAS的な循環構造を意識したほうが効果的でしょう。
用途に応じて使い分ける視点が、実務では重要になります。
BtoB営業・マーケティングにおけるAISASの応用
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ここまでの内容を踏まえ、AISASをBtoBの営業・マーケティング活動にどう落とし込めるかを考えてみましょう。
BtoCと比べて検討期間が長く、関係者が複数存在するBtoBだからこそ、決定プロセスを段階ごとに捉える意義は大きいといえます。
BtoB特有の長い決定プロセスを理解する
BtoBの購買では、担当者個人だけでなく、上長や決裁者、関連部署など複数の関係者が意思決定に関与します。
そのため、AttentionからActionに至るまでの期間がBtoCよりも長くなりがちで、途中で検討が停滞することも珍しくありません。
この特性を踏まえると、Search段階での情報提供や、社内稟議を後押しする資料の充実度が、決定プロセス全体を左右する重要な要素になるでしょう。
Search段階での情報提供戦略
BtoBの担当者は、課題を認識した時点から積極的に情報収集を行います。
導入事例、比較記事、業界特化型のホワイトペーパーなど、検討材料となるコンテンツを充実させることが、この段階での競争力につながります。
また、検索エンジンでの露出だけでなく、業界メディアへの寄稿やウェビナーでの登壇なども、Search段階における接点を増やす有効な手段といえるでしょう。
BtoBにおけるShareは、SNSでの拡散というより、担当者間の口コミや紹介、導入事例としての露出という形で現れることが多いといえます。
契約後のフォローアップを丁寧に行い、成功体験を事例化して発信できる関係を築くことが、次の見込み顧客のAttentionにつながっていきます。
営業担当者が受注後も顧客との関係を継続的に育てる姿勢は、AISASの循環構造を自社の営業活動に組み込むうえで欠かせない視点だといえるでしょう。
AISASを実務で活かすための実践ポイント
AISASという枠組みを理解するだけでなく、実際の営業・マーケティング施策にどう反映させるかが成果を左右します。
ここでは実務に落とし込むための具体的なポイントを紹介します。
ターゲットの行動パターンを正確に把握する
まず重要なのは、自社のターゲット層がどのようなメディアで情報に触れ、どんなキーワードで検索し、どのタイミングで比較検討を行うのかを把握することです。
営業担当者へのヒアリングや、既存顧客への商談録音・議事録の分析などから、実際の行動パターンを洗い出すとよいでしょう。
想定と実態がずれていると、せっかくの施策が的外れになってしまう恐れがあります。
各ステップに応じた施策を設計する
AttentionからShareまでの各段階に対して、それぞれ適した施策を組み合わせることが求められます。
たとえば、Attentionには広告出稿やSNS発信、Interestにはオウンドメディアの記事、Searchにはオウンドメディアの記事に加えてSEO対策、Actionには問い合わせフォームの改善や商談トークの磨き込み、Shareには導入事例の作成や紹介キャンペーンなどが考えられます。
一つの施策だけに偏らず、段階ごとの役割を意識した設計が、決定プロセス全体をスムーズに進める鍵となるでしょう。
データ分析を通じて継続的に見直す
AISASの各段階には、それぞれ計測可能な指標が存在します。
Attentionなら広告のインプレッション数、Interestならページ滞在時間、Searchなら検索流入数、Actionなら問い合わせ数や商談化率、Shareなら紹介件数や事例掲載後の反響などが該当します。
これらの数値を定期的に確認し、どの段階でボトルネックが生じているのかを特定することで、施策の優先順位を見直しやすくなります。
購買心理の決定プロセスは市場環境によって変化するため、一度設計した施策に固執せず、継続的な改善を前提に運用することが望ましいといえるでしょう。
AISASの発展形モデルを知っておく
AISASが提唱されてから時間が経ち、消費者行動のさらなる変化に対応する形で、いくつかの発展形モデルも生まれています。
ここでは代表的な3つのモデルを簡単に紹介します。
AISCEAS(アイセアス)
AISCEASは、AISASのSearchとActionの間に「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」を加えたモデルです。
情報収集がより高度化し、複数の選択肢を丁寧に比較検討する消費者行動を反映しています。
BtoBの購買心理は特に比較検討のプロセスが長いため、このモデルの視点は参考になる部分が多いでしょう。
DECAX(デキャックス)
DECAXは、Discovery(発見)、Engage(関係構築)、Check(確認)、Action(行動)、eXperience(体験)という流れを持つモデルで、コンテンツマーケティングの文脈で語られることが多いフレームワークです。
広告による一方的な注意喚起ではなく、コンテンツを通じた「発見」から始まる点が特徴的といえます。
オウンドメディアを中心に据えた集客戦略を考える際には、このモデルの発想が役立つでしょう。
Dual AISAS(デュアル・アイサス)
Dual AISASは、従来のAISASを縦軸に、Activate(起動)、Interest(関心)、Share(共有)、Accept(共鳴)、Spread(拡散)という横軸を組み合わせた2次元のモデルです。
購買に至らない段階でも、情報への共感や拡散が起こりうるSNS時代の特性を反映しています。
自社のコンテンツがどれだけ拡散されているかを重視する場合には、こうした発展形モデルの視点も取り入れる価値があるといえるでしょう。
AISASを営業活動に活かすなら、専門家のサポートを
AISASの各段階を理解することは重要ですが、実際の営業現場で成果に繋げるには、顧客心理に基づいた戦略的なアプローチが欠かせません。
SANGO株式会社では、営業専門19年の経験をもとに、BtoB企業の売上拡大を2つの軸でサポートしています。
1つ目は「営業屋」という営業支援サービスで、リード獲得から架電、結果分析までを一貫代行します。
680万件の法人データと専任オペレーターにより、新規顧客へのアプローチを効率化できます。
2つ目は「カケハシ」というマッチングプラットフォームで、代理店やフランチャイズなど販売パートナーを増やしたい企業にも対応しています。
どちらのご相談でも、営業力の強化とパートナー開拓の両面から戦略設計できることが強みです。
AISAS時代の営業課題について、お気軽にご相談ください。
まとめ
AISASは、Attention・Interest・Search・Action・Shareという5つの段階を通じて、購買心理の決定プロセスを可視化するフレームワークです。
インターネットの普及によって消費者が能動的に検索し、体験を共有するようになった現代だからこそ、このモデルが持つ意味は大きいといえます。
AIDMAとの違いを理解することで、施策ごとにどちらのモデルが適しているかを判断しやすくなるでしょう。
とくにBtoBの営業・マーケティングにおいては、検討期間の長さや関係者の多さを踏まえ、Search段階での情報提供やShare段階での関係構築を意識することが成果につながりやすくなります。
AISASという枠組みを日々の営業活動やコンテンツ設計に取り入れながら、顧客の購買心理と決定プロセスに寄り添った施策を積み重ねていくことが、これからのBtoBマーケティングにおいて重要になっていくでしょう。
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