PM理論とは?リーダーシップ向上における活用事例や診断テスト方法などをわかりやすく解説!
2024.11.20
PM理論は、リーダーシップのあり方に関する重要な理論の一つであり、特にビジネス環境における効果的なマネジメント手法として認識されているものです。
マネージャーはこの理論を学ぶことで、リーダーシップをより効果的に発揮し、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することが期待できるでしょう。
この記事では、PM理論とは何か、P機能とM機能について、リーダーシップタイプとPM理論の活用、リーダーシップ向上法、具体的な活用事例、診断テストで自分のリーダーシップタイプを知る方法、応用とさらなる理論との比較について詳しく解説します。
PM理論について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
PM理論とは何か?基本のポイントを抑えよう
まずは、PM理論とは何か、基本のポイントについて見ていきましょう。
PM理論の概要とその背景
三隅二不二が提唱したPM理論は、もともと日本の集団力学の発展に貢献した理論です。
この理論では、リーダーシップがどのように機能するかを心理学的視点で分析し、リーダーに必要なスキルを明確にするのが特徴となっています。
主に目標の設定や成果を追求するP機能と、チームの団結やメンバーの満足度を向上させるM機能から成り立っており、企業の成長に欠かせない指標の一つと言えるでしょう。
PM理論とSL理論の違い
SL理論は部下の成長段階や状況に応じてリーダーの行動を変化させることに重点を置いているのに対し、PM理論はP機能とM機能という二つの柱を基に理想のリーダー像を分析することに重点を置いています。
どちらもリーダーに関する分析を行うという点では共通していますが、PM理論はSL理論と違ってリーダー自身がどのように目標を達成し、チームを維持するかに焦点を当てているのが特徴です。
P機能とM機能について
次に、P機能とM機能について見ていきましょう。
P機能とは?その具体例と重要性
P機能は「Performance」を意味し、主に目標達成や成果向上に寄与する行動を指します。
具体的には、プロジェクトの進捗を管理し、納期を遵守するためにタスクを明確に指示することが含まれ、メンバーの能力を最大限に引き出すために指導や評価を行うことが重要です。
目標に向かって団結した行動を促すことで、チーム全体の生産性を高められるため、P機能はリーダーシップの基盤とされ、組織の発展に不可欠な役割を果たしています。
M機能とは?具体例を挙げて解説
M機能は「Maintenance」を意味し、チームの維持やメンバーのモチベーション向上に関わる行動を指します。
具体的には、円滑なコミュニケーションを推進し、メンバーの意見や感情に耳を傾けることが挙げられ、集団内の人間関係を深めるためにチームビルディング活動を実施することが大切です。
M機能が強化されるとメンバーは互いの信頼感や協力度が高まり、チーム全体の士気も高まるので、個人の力を結集して全体としての力を引き出すための鍵となるのが特徴です。
リーダーシップタイプとPM理論の活用
ここでは、リーダーシップタイプとPM理論の活用について見ていきましょう。
理想のリーダー像:PM型
PM型のリーダーは、目標達成とチームの維持能力が高い特徴を持っています。
具体的には、タスクの進捗を管理し、厳格な指導を行いながらも、チームメンバーの声に耳を傾ける姿勢が見られるのが特徴です。
このタイプのリーダーは、会社の目標を明確に定め、メンバーがその方向に向かって一致団結できるように導き、成果を上げると同時にメンバーの士気や満足度も高める努力を惜しみません。
したがって、PM型のリーダーは理想的なチーム運営を実現する上で重要な役割を果たします。
成果重視のリーダー:Pm型
Pm型のリーダーは、短期的な生産性を重視する一方で、チームの中長期的な健康を軽視する傾向があります。
このタイプのリーダーは、目標達成のために厳しくメンバーを指導し、緻密な計画を立てて業務推進を図るため、具体的な成果を上げる力は強いですが、他のメンバーとのコミュニケーションやチームビルディングに関しては課題が出やすいです。
このような特徴から、Pm型のリーダーは短期的なプロジェクトには適しているものの、持続可能なチームの構築には改善の余地があると言えるでしょう。
チームワーク重視のリーダー:pM型
pM型のリーダーは、メンバー同士の教育やコミュニケーションに強みを持つタイプです。
このリーダーは、チームの雰囲気や人間関係を重視し、メンバーの意見に耳を傾ける姿勢が見られます。
ただし、組織やチームの調和を優先しがちでプロジェクトの進行において目標達成が後回しにされることもあるため、目標達成に向けた具体的な計画や成果を上げることに関しては不安が残ります。
pM型のリーダーは、メンバーの成長を促す一方で、結果を伴うマネジメントが求められるのが特徴です。
改善の余地があるリーダー:pm型
pm型のリーダーは、目標達成とチームの維持の両方に対して課題を抱えることの多い存在です。
業務への関心が薄く、チームを効果的に指導することが難しいのが特徴と言えます。
このタイプのリーダーは、自身の能力不足がもたらす影響に気づくことが重要で、目標をしっかりと設定してチームの動向を把握する取り組みが必要です。
pm型のリーダーが成長するためにはリーダーシップスキルを学んで実践する場が求められる他、パフォーマンスの向上につながるような取り組みが必要となるでしょう。
PM理論を使ったリーダーシップ向上法
ここでは、PM理論を使ったリーダーシップ向上法について見ていきましょう。
P機能を高めるための方法
P機能を高めるためには、目標の具体化と進捗管理が重要です。
まずはチームで共通の目標を設定し、それを明文化することから始めます。
達成すべき各ステップを細分化して、進行状況を定期的に確認する仕組みを取り入れます。
これにより、メンバー一人ひとりが目指すべき方向性を理解し、行動しやすくなるでしょう。
加えてメンバーに対して適切な指導を行い、業務における達成感を提供することで、P機能の活性化が期待できます。
M機能を高めるための方法
M機能を高めるためには、チームのコミュニケーションを活性化させる取り組みが必要です。
具体的には、定期的なチームミーティングを開催し、メンバーの意見や感情を共有する場を設けることが求められます。
他にはメンバー同士の関係構築を促進するイベントやワークショップを実施することも有効です。
これにより、チーム全体の絆が強化され、協力して問題解決に取り組む姿勢が生まれる他、チームの士気や一体感が向上し、よりよい成果を導く基盤が築かれるでしょう。
具体的なPM理論の活用事例
企業の中ではPM理論を実践することで、リーダーとメンバーの相互理解が深まり、プロジェクトの成功につながった事例があります。
ある製造業の企業では、P機能とM機能のバランスを重視し、定期的な目標設定会議を行いました。この会議では、達成すべき具体的な数値目標とともに、チームメンバー間のコミュニケーションを強化する取り組みも導入されました。
結果として、従業員のモチベーションが高まり、業務における生産性が向上しました。
また、別のIT企業ではリーダーがP機能に力を入れる一方で、M機能を軽視しないように意識したことで、PM理論の実践が現場でどのように成果を上げるかが明らかとなりました。
結果的に業績アップに繋がるなど、すでに多種多様な企業でPM理論は活用されていると言えるでしょう。
診断テストで自分のリーダーシップタイプを知る方法
PM理論に基づいた診断テストの方法には、自己評価や他者評価を取り入れる方法が効果的です。
テストで自分自身の行動や意識についての質問に答える他、仲間や上司からのフィードバックをもとに自分の行動パターンを確認することで、リーダーシップタイプを把握できます。
この際、特定の尺度を用いて、P機能やM機能の強さを数値化するのも良いです。
その結果に基づいてどのリーダーシップタイプに属するのかを明確にし、将来的にどのような取り組みを行うのかを見出すのが良いでしょう。
例えば、P機能が強いという結果が出た場合、目標達成のための戦略をさらに深める必要があるのですが、逆にM機能が強いという結果が出た場合、チームの結束を強化するための活動に注力すると良いでしょう。
まとめ
PM理論はリーダーシップの向上に向けたツールとして、多くの企業や組織で活用されています。
P機能とM機能のバランスを重視するこの理論は、目標達成とチーム維持の両方を追求するための指針となるため、積極的に取り入れている企業も少なくありません。
PM理論は適応性に優れ、他のリーダーシップ理論と比較しても実践的なのが特徴です。
うまく取り入れれば、現場を牽引するリーダー育成に役立てられるでしょう。
まずはどのような人がリーダーに適しているのかを考え、PM理論とその他の理論を駆使しながら最適な人材配置を行いましょう。
それが結果的に企業の成長に繋がるのではないでしょうか。