ABMマーケティングの手法とは?導入事例と成功のポイントを完全解説
2026.08.06
BtoB営業の現場では「良質なリードを増やしたいのに、なかなか商談化しない」という悩みを抱える方が少なくありません。
そうした課題を解決する手段として注目されているのが、ABMマーケティングです。
ABMマーケティングとは、個人ではなく企業単位でターゲットを定義し、その企業からの受注最大化を目指す手法のことを指します。
本記事では、ABMマーケティングの基本的な考え方から具体的な手法、実際の活用事例までを整理してご紹介します。
これからABMマーケティングを導入したいと考えている営業・マーケティング担当者の方に、実践のヒントをお届けできれば幸いです。
INDEX
ABMマーケティングとは?注目される背景を完全解説
まずはABMマーケティングの基本的な定義と、なぜ今このマーケティング手法が注目を集めているのかを整理していきましょう。
ABMマーケティングの基本的な考え方
ABMマーケティングは「Account Based Marketing」の略称で、自社にとって価値の高い企業や団体をあらかじめ選び、その企業に最適化したアプローチを行う手法です。
ここでの「アカウント」とは個人ではなく、企業そのものや部署、組織単位を指す点が大きな特徴といえます。
つまり、営業部門とマーケティング部門が同じターゲット企業を見据えて連携し、企業全体を攻略していくイメージに近いでしょう。
従来のマーケティング手法との違い
従来のリードベースドマーケティングでは、まず幅広い層にアプローチして見込み顧客を集め、そこから熱量の高い個人を見極めていくという流れが一般的でした。
これに対してABMマーケティングは、最初から狙う企業を絞り込み、その企業の中にいる複数のキーパーソンに向けて個別にアプローチを行います。
よく「デマンドジェネレーションは網、ABMは銛」と表現されますが、この比喩はABMマーケティングの手法と事例を理解するうえで非常に分かりやすい例といえるでしょう。
なぜ今ABMマーケティングが注目されているのか
ABMマーケティングという考え方自体は、実は昔から大手顧客向けの営業活動として存在していました。
しかし、対象企業の選別や情報の一元管理には大きな工数がかかっていたため、広く実践するのは難しかったのです。
近年はMAやSFA、CRMといったツールが普及し、企業データやキーパーソンの行動履歴を一元管理できる環境が整ったことで、ABMマーケティングの手法を実践しやすくなったといえます。
ABMマーケティングの手法と進め方
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ABMマーケティングを実践するには、いくつかのステップを踏んで進めていく必要があります。
ここでは代表的な手法と、その進め方について見ていきましょう。
ターゲットアカウントの選定
最初に取り組むべきは、アプローチすべき企業をリストアップし、優先順位をつけることです。
過去の取引データや商談履歴を参照しながら、単純な取引金額だけでなく、自社のブランド向上や将来的な取引拡大の可能性といった中長期の視点も加味して選定することが重要でしょう。
この段階での見極めが甘いと、後工程でどれだけ丁寧なアプローチをしても成果につながりにくくなるため、時間をかけて検討する価値があります。
キーパーソンの特定とインサイト収集
ターゲット企業が決まったら、その企業内でどの部署の誰が意思決定に関わっているかを把握していきます。
BtoBの購買活動は一人の決裁者だけで決まることは少なく、現場担当者・情報システム部門・経営層など複数の関係者が絡むケースが多いものです。
そのため、名刺情報や商談メモ、展示会でのアンケート結果などをSFAやCRMに集約し、各キーパーソンの関心事項や課題感を可視化しておくことが、次のアプローチ設計の精度を大きく左右します。
パーソナライズしたアプローチの設計
キーパーソンの情報が整理できたら、それぞれの立場や課題に合わせたコンテンツやメッセージを用意していきます。
たとえば、現場担当者には業務効率化に関する具体的な事例を、経営層にはコスト削減や投資対効果に関する情報を届けるといった具合に、相手に応じて訴求内容を変える工夫が求められるでしょう。
このようにABMマーケティングの手法では、一律のメッセージではなく、企業単位・担当者単位でカスタマイズされたコミュニケーションを設計することが成果につながりやすいポイントです。
ABMマーケティングのメリットと注意点
ABMマーケティングには多くの利点がありますが、導入にあたって気をつけたい点も存在します。
両方の視点からバランスよく理解しておくことが大切です。
高いROIとリソース最適化
ABMマーケティングは、BtoBマーケティング手法の中でも比較的高いROIを実現しやすいと言われています。
これは、あらかじめ受注につながりやすい企業に絞ってリソースを投下するため、無駄な広告費や営業活動のコストを抑えられるからです。
限られた人員や予算しか持たない企業であっても、ターゲットを明確にすることで効率的な成果を出しやすくなる点は、大きな魅力といえるでしょう。
営業とマーケティングの連携強化
ABMマーケティングでは、営業とマーケティングが同じターゲット企業・同じ目標を共有しながら動くことになります。
従来はマーケティングがリード数を追い、営業が受注数を追うという構図になりがちで、部門間で目標がずれてしまうことも少なくありませんでした。
ABMマーケティングを導入することで、両部門が共通のアカウントリストを見ながら動けるようになり、情報連携やメッセージの一貫性が保たれやすくなります。
導入時に気をつけたいポイント
一方で、ABMマーケティングはすべての企業に無条件で当てはまる万能な手法ではありません。
ターゲット企業の数を絞り込む分、選定を誤ると期待していた成果が出にくくなるリスクがあります。
また、部門間の連携が前提となる手法であるため、営業とマーケティングの間で情報共有の仕組みや評価指標をあらかじめ整えておかないと、途中で活動が停滞してしまう可能性もあるでしょう。
ABMマーケティングを支えるツールの選び方
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ABMマーケティングを効率的に実践するためには、適切なツールの活用が欠かせません。
ここでは、ツール選定における考え方を整理していきます。
MAツールとABMツールの評価方法の違い
MAツールは、個人の行動に点数をつけて積み上げていく「スコアリング」という評価方法でホットリードを判定するのが一般的です。
一方でABMツールは、企業ごとの属性や商談の進行状況をステータスとして区分し、そのステータスをクリアしたかどうかでホットリードを見極めます。
行動量の蓄積で判断するか、決められたプロセスの通過で判断するかという違いがあり、BtoBの複雑な購買プロセスにおいてはABMツールの評価方法の方が受注に直結しやすい傾向があるといえるでしょう。
SFA・CRMとの連携で得られる効果
ABMマーケティングを進めるうえでは、名刺情報や商談履歴、Webからの資料請求データなどが社内に散在していると、キーパーソンの状況を正確に把握することが難しくなります。
SFAやCRMと連携させることで、これらの情報を一元管理し、営業とマーケティングが同じデータを見ながら動ける状態を作ることができます。
情報が分断された状態では、どれだけ良い手法を導入してもABMマーケティングの効果を十分に発揮できないため、ツール連携は優先度の高い検討事項といえるでしょう。
ツール選定時に確認すべきポイント
ABMツールを検討する際は、企業データの網羅性や既存システムとの連携しやすさ、操作性などを確認することが大切です。
すでにMAツールやCRMを導入している場合は、それらとスムーズに連携できるかどうかも重要な判断基準になります。
また、導入後に社内でどこまで運用を回せるかも考慮し、機能の多さだけでなく自社の体制に合ったツールを選ぶ視点を持つとよいでしょう。
ABMマーケティングの事例から学ぶ成功のヒント
実際にどのような形でABMマーケティングが実践されているのか、業種別のイメージを交えながら見ていきましょう。
実在の企業名は伏せていますが、共通する考え方は多くの企業に応用できるはずです。
大手企業における実践例
大手のIT関連企業では、既存顧客の中から取引拡大の余地が大きい企業を選定し、営業とマーケティングが合同でチームを組んでアプローチする取り組みが行われることがあります。
具体的には、ターゲット企業の経営層向けにはウェビナーで業界動向を発信し、現場担当者向けには個別の課題に合わせた資料を用意するといった形で、階層ごとに異なるコンテンツを展開する事例が見られます。
このような手法によって、商談化までのリードタイムが短縮され、部門間の連携もスムーズになったという声も聞かれます。
中堅・中小企業でも取り入れやすい進め方
ABMマーケティングは大手企業だけの手法ではなく、リソースが限られる中堅・中小企業でも取り入れやすい面があります。
たとえば、既存顧客の中から特に相性の良かった企業の特徴を分析し、似た属性を持つ企業をリスト化してアプローチするというシンプルな形から始めることも可能です。
大がかりなツール導入をせずとも、CRMの顧客データを活用しながら小規模にABMマーケティングの手法を試すことは、多くの企業にとって現実的な選択肢といえるでしょう。
事例から見える共通の成功要因
これらの事例を比較すると、共通しているのは「ターゲット企業の選定に十分な時間をかけている」という点です。
また、営業とマーケティングが情報を共有し、同じ企業に向けて一貫したメッセージを発信している点も、成功している事例に見られる特徴といえます。
ABMマーケティングの手法や事例を参考にする際は、ツールや施策の表面的な部分だけでなく、こうした社内の連携体制にも注目することが大切です。
ABMマーケティングを自社に導入するステップ
最後に、これからABMマーケティングを導入しようと考えている方に向けて、具体的な進め方を整理します。
導入前に整理すべき社内体制
ABMマーケティングを始める前に、営業とマーケティングの間で目標や評価指標を揃えておくことが重要です。
たとえば「受注数」を共通のゴールとして設定し、その手前の指標としてターゲット企業内での商談化率を追うなど、部門をまたいだ評価軸を作っておくと連携がスムーズになります。
体制が整っていない状態で施策だけを走らせてしまうと、途中で情報共有が滞り、効果検証もしづらくなってしまうため注意が必要です。
小さく始めて検証するアプローチ
最初から大規模にABMマーケティングを展開するのではなく、まずは数社程度のターゲット企業に絞って試験的に取り組むことをおすすめします。
小さく始めることで、どのようなコンテンツやアプローチが響くのかを検証しやすくなり、成功パターンが見えてきた段階で対象企業を広げていくという進め方が現実的でしょう。
この段階では、営業担当者からの現場の声を積極的に取り入れることも、施策の精度を高めるうえで役立ちます。
継続的な改善のサイクル
ABMマーケティングは一度実施して終わりというものではなく、ターゲット企業の反応を見ながら継続的に改善していく取り組みです。
商談化率や受注率といった指標を定期的に振り返り、アプローチ方法やコンテンツを見直すサイクルを社内に定着させることが、長期的な成果につながっていきます。
こうしたPDCAを回しやすい点も、ABMマーケティングの手法が持つ利点のひとつといえるでしょう。
ABMマーケティングの実践に向けて、営業体制の強化も検討してみませんか
ABMマーケティングの導入により、ターゲット企業への施策が明確になりました。
しかし、それと同時に「マーケティングで獲得したリードを、確実に営業につなげたい」という課題が生まれることもあります。
そこで検討の価値があるのが、営業活動の外部サポートです。
SANGO株式会社は、営業専門で19年、全国10拠点から法人データ680万件を保有しており、営業屋というテレアポ代行サービスを提供しています。
リスト作成からトークスクリプト作成、架電、結果分析までを一貫して対応し、ABMマーケティングで定義したターゲット企業への新規リード獲得を加速させることができます。
また、販売パートナーを増やしたい場合は、代理店やフランチャイズなどの案件をマッチングする「カケハシ」という選択肢もあります。
相談の中で、自社の営業力強化と外部パートナーの活用、どちらの道が最適かを一緒に考えることができます。
まとめ
ここまで、ABMマーケティングの手法や事例について整理してきました。
ABMマーケティングは、企業単位でターゲットを明確に定め、営業とマーケティングが連携しながらアプローチする手法であり、限られたリソースの中でも成果を出しやすい特徴を持っています。
一方で、ターゲット企業の選定や社内体制の整備を丁寧に行わなければ、期待した効果を得にくい面もあることは押さえておきたいポイントです。
今回ご紹介した手法や事例を参考に、まずは自社の既存顧客データを見直すところから、ABMマーケティングの第一歩を検討してみてはいかがでしょうか。
営業とマーケティングが同じ方向を向いて動けるようになれば、これまで見えていなかった商談の可能性にも気づけるかもしれません。
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