CTR(クリック率)とは?マーケティング用語解説

Webマーケティングにおいて頻繁に用いられるCTRは、広告やコンテンツの効果を測る上で非常に重要なマーケティング用語の一つです。

ネット広告の成果を最大化するためには、CTRの基礎知識から具体的な改善方法まで、網羅的に理解しておくことが不可欠となるでしょう。

そこで、この記事ではCTRの意味から計算方法、重要性、さらには媒体別の平均目安と具体的な改善策について詳しく解説します。

CTRの意味とは?

CTRとは「ClickThroughRate」の略であり、Webマーケティングにおいて「クリック率」や「クリックスルー率」とも呼ばれる用語です。

その意味は、ネット上の広告やコンテンツが表示された回数(インプレッション数)に対して、実際にユーザーがクリックした回数の割合を示します。

この意味を理解することは、Web広告やSEO施策の効果を測る上で非常に重要です。

CTRが高いほど、表示されたコンテンツがユーザーの興味を引き、クリックにつながっていると判断できるため、マーケティング戦略の効果を評価する指標として活用されます。

例えば、Web広告がユーザーに100回表示され、そのうち10回クリックされた場合のCTRは10%となるという具合です。

上記のようにCTRはオンライン上での情報がどれだけユーザーに響いているかを数値化する上で欠かせない指標となるため、意味についてはぜひ理解しておきましょう。

CTRの計算式と具体的な計算例

CTRは「(クリック数÷インプレッション数)×100」の計算式で算出されます。

ここでいうクリック数とは、広告やリンクがクリックされた回数を指し、インプレッション数とは、広告やWebサイト、CTA(CalltoAction)などがユーザーの画面に表示された回数のことです。

例えば、あるWeb広告が1,000回表示され(インプレッション数)、そのうち30回クリックされた場合、CTRは「(30÷1,000)×100=3%」となります。

また、Googleの検索結果画面に自社サイトの記事が500回表示され、50回クリックされた場合は「(50÷500)×100=10%」と計算されるわけです。

上記のようにCTRを算出することで、広告やサイトのパフォーマンスを具体的に数値化し、改善策の立案に役立てることが可能となるでしょう。

また、広告運用だけでなく、SEOやメールマーケティングなど、様々な分野で活用するのにも良いでしょう。

CTRはなぜ重要視されるのか?

CTRは、Webマーケティングにおいて広告やリンクの効果を測る上で非常に重要な指標とされています。

  • 広告がどの程度ユーザーに関心を持たれているかを把握できるため
  • コンテンツの品質スコアに影響するため

CTRを分析することで、広告がどの程度ユーザーに関心を持たれているかを把握できます。

CTRが一定以上あるということは、表示されたコンテンツがユーザーにとって魅力的かつ有益であると判断できるため、ユーザーのニーズを把握する手助けとなるのです。

また、CTRはコンテンツの品質スコアにも影響を与えます。

特に、リスティング広告ではCTRが向上するほど広告の品質スコアも向上し、結果として掲載順位が上昇したりクリック単価(CPC)が抑制されたりしやすいです。

そのため、少ない費用でより多くのユーザーをWebサイトへ誘導することが可能となり、広告運用の費用対効果の改善につながるでしょう。

上記のようにCTRを上げることは、Webサイトへのアクセス数を増加させ、最終的なコンバージョン率(CVR)の向上に寄与するため、マーケティング戦略の重要な目的の一つとなるわけです。

【媒体別】CTRの平均的な目安

次に、媒体別のCTRの平均的な目安について見ていきましょう。

自然検索(SEO)におけるCTRの目安

自然検索(SEO)におけるCTRの目安は、検索順位によって変動します。

一般的に、検索順位が上位であるほどCTRは向上する傾向にあり、例えば1位のCTRは21.12%、2位は10.65%、3位は7.57%というデータがあります。

他の調査では、1位のCTRが28.5%、2位が15.7%、3位が11.0%という結果や、さらなる数値として1位が39.8%、2位が18.7%、3位が10.2%というデータも存在するくらいです。

逆に、順位が低下するにつれてCTRも低下するのが特徴で、4位は7.4%、5位は5.1%、6位は4.4%、7位は3.0%、8位は2.1%、9位は1.9%、10位は1.6%という報告もあるほどです。

検索結果の1位と10位では、CTRに10倍以上の差が生じることもあるなど、いかにSEO対策が重要かが見えてくるでしょう。

なお、強調スニペットの表示など検索結果ページの表示形式によってもCTRは変動することがあるため、上記の目安を参考にしつつ自身のサイトのパフォーマンスをGoogleサーチコンソールなどで確認しましょう。

リスティング広告におけるCTRの目安

リスティング広告におけるCTRの目安は、業界やキーワードによって異なりますが、平均的な数値は3.17%(モバイルからのアクセスはPCよりもCTRが高い傾向)とされています。

他のデータでは、リスティング広告の平均クリック率は6〜7%とするものもあります。

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるため、他の広告形式と比較してユーザーの検索意図との関連性が高く、クリック率も比較的高いです。

例えば、旅行や自動車、エンターテイメントといった分野ではCTRが高い傾向です。

一方、0.6%といった数値が平均となる業界も存在するため、自社の業界平均を把握することが欠かせません。

ディスプレイ広告におけるCTRの目安

ディスプレイ広告におけるCTRの目安は、リスティング広告よりも低い傾向となります。

平均的なCTRは0.46%、または0.5%程度、さらには0.05%という報告もあります。

Googleディスプレイ広告の平均CTRは0.47%ですが、業界によっても異なり、例えばテクノロジー業界では0.39%、自動車業界では0.60%、不動産業界では1.08%といったばらつきが見られるのが一般的です。

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上の広告枠にバナーや動画形式で表示されるため、ブランドや商品の認知度向上が主な目的です。

そのため、ユーザーが明確な意図を持って検索するリスティング広告とは異なり、クリック率が低くなる傾向にあるでしょう。

ディスプレイ広告は視覚的な要素がメインで、クリエイティブなデザインやメッセージがCTRに影響するため、ユーザーの注意を引きやすい画像や動画も活用しましょう。

CTRを改善するための具体的な5つの方法

CTRを上げるためには、ユーザーの検索意図や興味関心に合致した魅力的なコンテンツを提供することが必要不可欠です。

ここでは、CTRを改善するための具体的な5つの方法をご紹介します。

ユーザーの検索意図に合ったタイトルを設定する

ユーザーが検索するキーワードの意図を正確に理解し、それに応えるタイトルを設定することは、CTRを向上させる上で最も重要な要素の一つです。

ユーザーは検索結果から自分の知りたい情報がどこにあるかを判断するため、タイトルは明確で、内容を的確に表すものである必要があります。

例えば、ターゲットユーザーが初心者であればタイトルに「初心者向け」と明記したり、専門的な情報を求めるユーザーには「上級者向け」と含めたりすることで、自身のニーズに合った情報であると認識させ、クリックを促すことが可能です。

また、具体的な数字や記号(【】や!?など)をタイトルに盛り込むことで、視覚的に目立ち、ユーザーの興味を引く効果が期待できます。

検索キーワードに関しては自然に含めるようにし、タイトルとコンテンツの内容に一貫性を持たせることでユーザーの期待と合致させることが、CTR向上に欠かせません。

読者の興味を引くディスクリプションを作成する

ディスクリプションは、検索結果に表示されるタイトルの下に表示される説明文で、ユーザーがクリックするかどうかを判断する上で重要な役割を果たします。

具体的に、読者の興味を引くディスクリプションを作成するには、記事の内容を簡潔にまとめ、読者が得られる情報や解決できる課題を明確に伝えることが重要です。

例えば、数字や限定性(「今だけ30%オフ」「〇〇の3つのポイント」)を盛り込んだり、疑問形や問題提起を含んだりすることでユーザーの好奇心を刺激することで、クリックを促す効果が期待できます。

検索キーワードを自然に含めることで、検索エンジンも内容を理解しやすくなり、ユーザーの検索意図との関連性を示すことが可能です。

一方、表示される文字数には限りがあるため、伝えたい内容を端的にまとめる工夫を忘れてはなりません。

広告文に具体的な数値や限定性を盛り込む

広告文に具体的な数値や限定性を盛り込むことは、ユーザーの行動を促し、CTRを向上させる上で効果的です。

例えば「導入500社超の人気管理ツール」「8月31日まで」「今なら30%オフ」といった具体的な数字や期間、割引情報を記載することで、ユーザーに緊急性や信頼性、お得感を伝えることができます。

上記により、競合との差別化を図り、ユーザーの購買意欲やサービス利用への関心を集めることが期待できるかもしれません。

また、提供する商品やサービスの魅力を具体的に示すことで、ユーザーがクリック後に何を得られるのかをイメージしやすくなり、クリックへのハードルを取り除くことができます。

抽象的な表現ではなく、具体的なベネフィットを明確に伝えることが、CTR向上につながる重要なポイントです。

広告表示オプションを最大限に活用する

広告表示オプションは、検索広告の表示面積を増やし、ユーザーに提供できる情報を拡充することで、CTRを向上させる有効な手段です。

例えば、サイトリンク表示オプションを使えば、広告文の下に追加のリンクを表示させ、ユーザーが興味のあるページへ直接アクセスできるように促すことができます。

コールアウト表示オプションでは、商品やサービスの特徴を簡潔なテキストで強調表示し、よりたくさんの情報を伝えることが可能です。

また、構造化スニペット表示オプションでは、特定のカテゴリ(例:サービス、ブランド、コースなど)に関する情報をリスト形式で提示し、広告の視認性を向上できます。

まずは上記のオプションを組み合わせることで、検索結果ページでの広告の存在感をアピールし、ユーザーの目に留まりやすくしましょう。

結果的に、クリック率の向上にもつながるでしょう。

ターゲット設定を見直して精度を高める

広告やコンテンツのターゲット設定を見直し、精度を高めることは、CTRを向上させる上で非常に重要です。

ターゲット設定が適切でない場合、広告が想定外の層に表示され、クリック率の低下につながる可能性があります。

地域、年齢、性別、興味関心など、詳細なターゲティング設定を定期的に確認し、自社の商品やサービスに最も関心を持つであろうユーザー層に広告が届くように調整しましょう。

これにより、ユーザーの検索意図やニーズに合致した広告を表示できるようになり、クリックされる可能性が高まるでしょう。

なお、特定のキーワードに対しては、関連性の高い広告グループやキャンペーンを設定し、ユーザーが求める情報と広告の関連性を高めることも有効な方法です。

それら適切なターゲットに適切なメッセージを届けることで、CTRの効率的な改善が期待できます。

CTR改善に取り組む際に押さえておきたい注意点

最後に、CTR改善に取り組む際に押さえておきたい注意点について見ていきましょう。

クリック後の遷移先ページとの関連性を意識する

CTR改善に取り組む上で、クリック後の遷移先ページと広告や検索結果の内容との関連性を強く意識することが極めて重要です。

ユーザーが広告や検索結果をクリックしてページに訪れた際、期待していた情報と異なると、すぐに離脱してしまう可能性が高まります。

これは「直帰率の増加」につながり、せっかく獲得したアクセスが無駄になってしまうだけでなく、ユーザー体験の低下にもつながります。

例えば、広告文で「最新の割引情報」を謳っているにも関わらず、遷移先のページが商品一覧のみで割引情報が見当たらない場合、ユーザーは失望してしまうでしょう。

広告やタイトルで提示したメリットや情報が、ランディングページで確実に提供されているか、メッセージやビジュアルに一貫性があるかを常に確認し、ユーザーの期待に応えるページを用意することが、最終的なコンバージョンにもつながる重要な要素です。

CTRだけを追い求めずコンバージョン率も確認する

CTRの改善はWebサイトへの流入数を増やす上で重要な指標ですが、それだけを追い求めるのは避けるべきです。

最終的なマーケティングの目的は、商品の購入や資料請求、会員登録といったコンバージョン(CV)の獲得にあることがほとんどだからです。

CTRが高いからといって、必ずしもコンバージョン率も高くなるとは限りません。

例えば、ユーザーの興味を引くために誇張したタイトルや広告文を使用した場合、一時的にCTRは向上するかもしれませんが、クリック後にユーザーが期待した内容と異なるとすぐに離脱し、コンバージョンにはつながらない可能性があります。

ゆえに、CTRだけでなくクリック後のコンバージョン率(CVR)も同時に確認し、広告からコンバージョンまでの導線全体を最適化しましょう。

CTRとCVRの両方をバランス良く改善していくことで、費用対効果の高いWebマーケティング施策を実現できます。

まとめ

CTR(クリック率)は、Webマーケティングにおいて広告やコンテンツが表示された回数に対するクリック数の割合を示す重要な指標です。

この数値は広告やコンテンツの効果を数値的に評価し、ユーザーの興味度を測る上で非常に役立ちます。

それらのCTRが高いと、広告の品質スコア向上やクリック単価の抑制につながり、Webサイトへの流入増加や最終的なコンバージョン率の向上にも貢献します。

媒体や業界によってCTRの平均目安は異なりますが、ユーザーの検索意図に合ったタイトルや魅力的なディスクリプションの作成、広告文への具体的な数値や限定性の盛り込み、広告表示オプションの活用、ターゲット設定の見直しがCTR改善には有効といえるでしょう。

一方、CTRだけでなく、クリック後の遷移先ページとの関連性やコンバージョン率も同時に確認し、総合的な効果を最大化することが重要です。

まずは当記事を参考にしながら、今後のWebマーケティング戦略を練りましょう。

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