上座と下座とは?ビジネス上での席位置のマナーについて解説

ビジネスシーンにおける上座と下座の理解は、重要なマナーの一つです。

上座と下座は会食や会議の場で当たり前の常識として知られており、知らずに着座を促すと恥をかくことになる上、相手方に失礼な印象を与えてしまうかもしれません。

そこで、この記事では上座と下座の定義、ビジネスシーンでの席位置マナー、和室や洋室での席次の違い、レストランや食事の席での席次、上座と下座の歴史と由来について詳しく解説します。

上座と下座の定義

まずは、上座と下座の定義について見ていきましょう。

上座とは何か?

上座とは、基本的に「お客様」や「目上の方」が座るべき位置を指します。

この座席は通常、部屋の一番奥、入口から最も離れた場所となるのが一般的です。

上座に着いている人は、主に会議や商談の進行役などにもなるため、その位置から全体の状況を把握しやすい環境であるのが理想といえるでしょう。

慣習や風習によって変わることもありますが、普通は上座が最も重要な席とされます。

相手への敬意が自然と表現される席だけに、お客様や目上の方にお座りいただくのがマナーです。

下座の役割と位置

下座は、基本的におもてなしをする側が座る位置を意味します。

この位置は、通常お客様や目上の人に向かい合う形で設けられるのが一般的です。

下座の人は、コミュニケーションを円滑にするために話しやすい雰囲気を作ることが必要です。

出入り口に近い位置であるため、場の雰囲気を和やかに保つ役割もあります。

下座にはさりげない役割があるため、どのように振る舞うかも工夫が求められるでしょう。

ビジネスシーンでの席位置マナー

次に、ビジネスシーンでの席位置マナーについて見ていきましょう。

会議室での席次のポイント

オフィス内の会議室における席次は、会議の進行や雰囲気に深く影響します。

会議では、基本的に役職や地位に応じた座席の配置となります。

例えば、上司や重要な来客は部屋の奥の席に座るのが一般的といえるでしょう。

また、対面する際は同じ役職のメンバー同士が対角に配置されるのが望ましいです。

このような席次を参考にしながら、会議の目的に応じた適切な配置を考えることが重要です。

コの字テーブルのケース

会議室によくあるコの字型のテーブル(もしくは机が連結されている場合)は、入り口から一番遠方で全体が見渡せる箇所が上座となります。

議長や進行役が決まっている場合、入口から一番遠い両者の横が上座です。

ソファのケース

応接室など、椅子の配置が向かい合わせの場合は、入口からより遠い奥の位置が上座です。

両側のソファの設置数が異なる場合でも同様となるでしょう。

長椅子と一人掛けソファが両方設置されている場合は、長椅子のほうが良い席とされています。

応接室での正しい席次

応接室では、来客が最も落ち着ける位置が上座となり、ホスト側はその近くに座ります。

来客が座る場所によって、その日の印象や話の進行が変わるため、配慮が必要です。

来客が入室した際にはドアに近い位置が下座となるため、客人との距離感を保ちつつ座りましょう。

タクシーでの席次マナー

車に乗る際の席次マナーは、ビジネスシーンにおいて気を付けておきたいです。

例えば、タクシーにおいては運転席の後ろが上座、助手席の後ろがその次の位置となります。

ビジネスパートナーやお客様は、運転席の後ろに乗ることが多いため、運転席の後ろや助手席の後ろに座っていただき、自分自身は助手席に座るのがマナーです。

その上で、相手の立場や状況に応じて柔軟に対応することが大切です。

特にドアの開け閉めは目上の方が先に乗り込むよう心がけ、いかなる場面でも丁寧に振る舞う姿勢が求められるでしょう。

社用車のケース

社用車で社内の上席をお連れする場合も基本的には同様です。

エレベーターでの位置取りルール

エレベーター内での位置取りには、一般的なルールがあります。

基本的には、乗り込む際に目上の方が先になるように配慮します。

この際、位置はドアから遠いところが上座とされ、目上の方を優先してその場所を確保することが重要です。

エレベーターの操作ボタンの近くに立つ場合も注意が必要です。

立ち位置を考慮しながら、誤って上座の方に自分のお尻を向けるような行動は避けるのがマナーとなります。

和室や洋室での席次の違い

次に、和室や洋室での席次の違いについて見ていきましょう。

和室における床の間と席次の関係

和室では、床の間が席次を決める大きな要因とされています。

床の間は部屋の一番奥に位置し、通常は観賞用の掛け軸や生け花が置かれます。

一般的に床の間に背を向けることは失礼とされるため、注意が必要です。

ゆえに、和室では床の間の近くに座る人が最も敬意を表される位置として捉えられます。

座布団を敷く際は基本的に床の間の向かい側が上座とされ、関係者がその位置に座ります。

洋室での装飾位置を基にした席次

洋室においては、装飾品や家具の位置が席次において重要な役割を果たします。

基本的に、テーブルの向かい合った位置が座るべき場所の目安となりますが、壁に飾られた絵画や装飾によって席次が変わることがあるので、注意が必要です。

重要な来客やお客様に対しては、壁から遠い席を選ぶのがマナーです。

また、椅子の種類や配置によっても席次の適切さが変わるからこそ、正しい席へ導いてあげることが求められるでしょう。

レストランや食事の席での席次

次に、レストランや食事の席での席次について見ていきましょう。

フレンチレストランでの席位置マナー

フレンチレストランでは、主賓やビジネスパートナーが上座に座ります。

他の人は下座に座り、相手への敬意を表すことが重要です。

テーブルの形状や配置も考慮に入れ、自然な流れを保つよう配慮しましょう。

なお、ドアや出入り口に近い席が下座とされるため、ゲストが落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめるよう、上座に誘導してあげることが大切です。

円卓での席次の取り方

円卓での席次の取り方には独特のルールがあります。

この形状のテーブルでは、中央に近い席ほど重要な位置とされ、特に来賓や目上の方がその近くに座ることが多いです。

また、円卓の特性上、出入り口を基準にした上座と下座の考え方も適用され、来賓がいる場合はその方に最も近い席が自ずと上座となる傾向があります。

席次を取り決める際には、温かいおもてなしを心がけ、会話が盛り上がるような配置を選ぶことが大切です。

訪問時の席次マナーと対応

訪問を受ける側は、来客を迎える準備を整え、適切な席次を事前に考慮しておくことが必要です。

通常、来客の上司や重要な人物がいる場合にはその方を最上座に位置づけ、主たる話し手である自分たちはその近くに座ります。

上座と下座の歴史と由来

最後に、上座と下座の歴史と由来について見ていきましょう。

日本ならではの文化と敬意

日本の文化において、上座と下座は人間関係の基本的なマナーとして位置づけられています。

この習慣は席次によって相手への敬意を示し、円滑なコミュニケーションを促進するのが目的です。

日本では年齢や役職、地位が重要視され、特に目上の人に対しては敬意を表す必要があります。

例えば、食事の席や会議室での位置取りもこうした文化が反映されているわけです。

常に相手を敬う心が根底にあるため、上座と下座の概念は日本の人々にとってとても重要な価値があるといえるでしょう。

皇室に由来する立ち位置の歴史:右上位

上座と下座の由来は、皇室における立ち位置の起源に見受けられます。

古くから、日本の皇室では右側が上位とされており、これはさまざまな儀式や行事において厳格に守られてきた伝統です。

それに基づき、一般社会でも右上位の考え方が受け継がれてきました。

この習慣が席次に影響を与え、上座と下座の判断基準として浸透しています。

したがって、皇室の立ち位置が今日の席次マナーに影響を与えているといえるわけです。

まとめ

上座と下座に関する理解は、ビジネスシーンや社交の場面において非常に重要です。

席次は、相手への敬意を表すための方法として、古くから日本の文化に根付いています。

特に、目上の人やお客様をどの位置に座らせるかは、関係構築において大きな影響を与えることがあるため、十分に注意が必要となるでしょう。

和室や洋室の特性に応じた席次の考え方やレストランでの席位置のマナーも、ビジネス上の細やかな配慮を必要とする部分です。

これらの知識を活用することで、より良好な人間関係を築く土台を作ることができるのではないでしょうか。

礼儀正しさや思いやりを持って、シチュエーションに応じた適切な席次を選択することが、円滑なコミュニケーションの鍵となります。

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#営業屋 編集部

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